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高周波血管内焼灼術について

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高周波血管内焼灼術について

■ 静脈の逆流の止め方

あまり知られていないことですが、下肢静脈瘤の治療はすでに紀元前から行われていたと言います。その方法はボコボコと見える血管を熱した鉄の棒で焼き切るという、今考えるとありえないほど乱暴な治療でした。患者さんの苦痛がどれほどのものであったか想像もつきませんね。
しかし驚くことに、古代の下肢静脈瘤治療の考え方は実はとても理にかなっており、現在保険診療で行われている下肢静脈瘤血管内焼灼術はまさに、血管を内側から焼いてしまう治療なのです。
こちらのページで下肢静脈瘤の原因は静脈内の弁機能が失われて静脈逆流がおきることであると説明しました。下肢静脈瘤の治療は失われた弁機能を蘇らせて逆流のない血管に戻す治療だと、みなさんは考えられると思います。
残念ながら、一度失われた弁機能はどのような手術や薬を使っても蘇らせることはできません。つまり逆流を生じた静脈を正常血管に戻すことは不可能です。かつて有能な心臓血管外科医が静脈弁再建手術をチャレンジしたことがありましたが、ことごとく失敗に終わっています。
つまり、下肢静脈瘤の治療とは静脈の逆流を止めることですが、それはその血管自体を「なくしてしまう」以外ないということになります。

■ 最も優れた治療は?

下肢静脈瘤の治療は、逆流をしている静脈をなくしてしまうことです。
現在、保険診療で認められた治療のうち、最も成績がよく体に対する負担が少ないのは、高周波(あるいはレーザーの一部)による血管内焼灼術です。
逆流を生じた静脈のなかに、高周波を照射することが出来るカテーテル(細い管)を挿入し、高周波(レーザー)の力で静脈を焼灼します。焼灼された血管は細くなり、血液が通ることはなくなります。焼灼された静脈は人の体の中にありながら血液が全く流れない”ヒモ”のような構造物となるのです。
高周波焼灼術の治療成績はとても良く、焼灼された血管に逆流が再発することはほとんどありません。私の経験でも今まで数千例の治療を行ってまいりましたが、純粋な再発例はかつて1例もありません。

■ 高周波血管内焼灼術の方法

手術は日帰りで行います。使う麻酔は局所麻酔のみです。
下肢静脈瘤は特にご高齢の患者様が多いので、全身麻酔(鎮静剤を含む)や腰椎麻酔は使わないにこしたことはありません。
大伏在静脈や副伏在静脈の治療の際は膝の横、小伏在静脈の治療の際はアキレス腱の上あたりから高周波カテーテルを挿入します。傷はカテーテル挿入時にできる針穴だけです。
カテーテルがターゲットの血管内にきちんと挿入できたら、次にカテーテルの周囲に水分を注入し、超音波検査で全ての位置をしっかり確認しながら血管を焼灼します。
治療に要する時間は血管1本につき5~10分程度と、極めてスピーディです。

■ 高周波血管内焼灼術の合併症

起こりうる重篤な合併症としては下の3つがあります。

  1. 1.EHIT(イーヒット)
  2. 2.神経障害
  3. 3.熱傷

私は長年治療に携わってきましたが、これらの重篤な合併症を起こしたことは未だ1例もありません。これらを極力起こさないためにはそれぞれに対策があると考えています。

①EHIT(イーヒット)

下肢静脈瘤の治療でターゲットとなる静脈はそれぞれが、体の中心に近づくに従って「より太く大事な静脈」に合流します。
この「より太く大事な静脈」を深部静脈といい、傷つけたり血栓を作ったりすることは決して許されません。
ターゲットとなる静脈を焼灼する際、焼灼した静脈そのものに血栓(血の塊)が出来るのは当たり前ですが、深部静脈に近づきすぎて焼灼したり、術前に血栓ができやすくなるような薬を服用している場合は、深部静脈にも血栓ができてしまう場合があります。
深部静脈に血栓ができた状態のことをEHITといいます。できた血栓の大きさによっては、血栓を溶かす治療が必要になったり、最悪の場合は大きな病院で“静脈フィルター”という網を血管内に挿入する事態に陥ります。
EHITを起こさないためには、深部静脈から十分に距離を保って焼灼すること、術前にステロイドやホルモン剤を内服されている方は服薬を中止した後に治療すること、などが大事です。

②神経障害

下肢静脈瘤の高周波(レーザーも同様です)血管内焼灼術で起こりうる「神経障害」には、伏在神経障害、腓腹神経障害、脛骨神経障害の3つがあります。
このうち伏在神経と腓腹神経は”感覚神経”なので、焼灼の熱による障害で皮膚の触覚が鈍くなる症状が出ます。具体的には皮膚を直接触られても「布の上から触られているような感覚」になります。足の動きには全く影響がありませんので生活に支障を来す障害では無いかもしれませんが、なるべく起こさないようにするコツは存在します。
一方、脛骨神経は”運動神経”なので、この神経に障害が及ぶと脛骨神経麻痺(いわゆる「垂れ脚」という状態)になり、生活に支障をきたします。脛骨神経麻痺だけは絶対に起こさないよう、可能であれば超音波検査で脛骨神経の走行を確認し、十分に距離を保って焼灼を行わなくてはなりません。
いずれの神経も全ての人間で全く同じ解剖学的走行をしているわけではないので、手技による神経障害を完全に防ぐことは不可能かもしれません。幸いにも私は重篤な神経障害を起こしたことはありませんが、心臓血管外科医としての今までの知識や経験を活かして、これからも安全な治療を心がけていきたいと思っています。

③熱傷

高周波やレーザーにより発生する熱で、皮膚のやけどが生じる場合があります。高周波やレーザーの熱はカテーテルから5mm程度伝播する力があると言われていますので、皮膚に近い静脈を焼灼する際は注入する水の量に留意して、皮膚とカテーテルの距離を十分に保つ工夫が必要です。

院長コラム高周波焼灼術とレーザー焼灼術はどっちが良い?

下肢静脈瘤の治療で行われる血管内焼灼術に使われるカテーテルには、高周波カテーテルとレーザーカテーテルが存在します。ともに保険診療として認められており、ともに大変優れた治療効果があります。私は高周波カテーテルとレーザーカテーテルの両方を使うことができますが、「どちらがいいの?」と度々質問を受けます。
そういった時はいつも、「いろんな意味でどちらも全く同じです」とお答えしています。
この2種類のカテーテルの優劣が検討されていたのも今は昔。現在はどちらが優れているかという議論はされていません。手術時間や長期成績、合併症の頻度、治療にかかる費用のすべてが全く同じだからです。
傷の大きさについては、わずかに高周波カテーテルの方が大きいですが、その差は1mm弱です。どちらを使って治療をするかは、治療を担当する医師にお任せで良いと思います。私は高周波カテーテルの方を好みますが、理由は柔らかくて操作がしやすいからです。

ここで一つだけ知っておいていただきたいことがあります。

レーザーカテーテルは、用いるレーザーの波長が何種類かあり、最新のレーザー機器による治療については保険適応外(=自費診療)となっています。
では、最新のレーザーカテーテルは、保険の適応から外れて高い料金を払うほどの違いがあるのでしょうか?
心臓血管外科専門医として正直にお答えすると、答えは「NO」です。
なぜか?それは高周波焼灼術が保険診療に認められた時点(2014年)で既に、カテーテルの器材としての進化は頂点といって良い状態まで高まっていたからです。その後も日本国内で数種類の新しいレーザーカテーテルが使用されるようになりましたが、正直なところ自由診療的な「営業」に使われている感が否めません。
下肢静脈瘤は、保険診療でしっかりとした診断・治療を受けるようにしましょう。

記事制作者
院長

村田 将光

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